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2017年10月27日 (金)

2000kmの非日常(2/4) キタ と ミナミ と 新世界

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大坂へ向かった一番の理由は大阪城でもなく、ましてやUSJなどでもなくて、ベタコテと言われるなにわの世界を体験してみたかったから。
その為に確保した宿は今回、僕の行動半径の一番南側に位置する新世界。通天閣すぐ近くというそのキャッチフレーズが気に入った宿だった。大通りから宿のある路地に入るとすぐに目に飛び込んできたのは、大坂ならではのど派手な看板群だった。それらはきっと初めて見る者を圧倒し、そしてようやく大坂にやってきたのだという実感を与えてくれる。そんな通りにずらっと並ぶ看板群に暫し目を取られつつ、ふと視線を右に向けると洒落た洋館風のビルがあった。隣の串カツ屋や向かいの寿司屋の看板の中で、そこだけ異空間という雰囲気を醸し出すそのビル。エントランスの壁に掲げられた、なんとも控え目に見えてしまったサインを見て、初めてここが二泊の宿なのだと気がついた。
宿にクルマと荷物を預け、新世界という初めての世界をブラついてみる。
それにしても、目の前にそびえ立つ通天閣とマッチする派手な看板群だなと、妙に感心してしまった。ちょうど日曜日の昼時ということもあるのだろうか、人通りもかなり多く客引きが声を張り上げその光景は僕にとっては、”あらまぁ・・・”というような活気を呈していた。多くの店が店先のショーウインドーに串カツのネタが所狭しと飾ってある。ネタとそれを揚げた串カツをビフォー・アフターのように並べていたり、上に鏡を仕込んでまるでテーブル席からみたようにしてある店など、それぞれの工夫を見て歩くのも楽しいものだ。そんな中で見つけた昔懐かしい赤いウインナーのある店。僕はフラリとその暖簾をくぐり、串カツとビールの昼飯で大阪二日間のスタートを切った。

 

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今回の大阪で一番楽しみにしていた場所は”nanba-grando-kagetu”という吉本の劇場だった。
なんとなく大阪の宿を漁り始めたのは六月頃の事。その時頭に浮かんでいたのは、せっかく大阪にいくのだから本場のお笑いを体験してみたいという事だ。ところがHPの公演スケジュールは八月までで、九月以降はまだ先の話だなぐらいにしか思っていなかった。夏ごろにフェリーの50%OFFチケットをようやく手に入れ、目当ての公演予定を見てみるとまさかの、年末近くまで改修工事の為に休館という文字。”おでかけ”というのもやっているようだけど、その劇場の雰囲気も味わいたかったので結局止めてしまった。代替案として思いついたのが梅キタでの晩飯の途中で立ち寄れる大阪城や中之島公園、造幣局などを川から巡る水上バスだ。これがまた実に楽しい体験だった。傍で見るよりも喫水線がずっと高く、もし窓が開いたなら座席に座ったままで水に触れることが出来るだろう。
それにしても、さすが水の都大阪だ。
中之島公園はもちろんのこと、川辺の殆どの店にテラス席があり、カップルにせよグループにせよみな様々なスタイルで日曜の午後を楽しんでいた。土地柄というか気質なのだろうか、新世界でも思ったのだけど、Alcを楽しんでいる人達の多いこと。そして水上バスで通りすぎる観光客に気軽に手を振ってくれる。僕もちょうど船内販売で手に入れた缶ビールで岸辺からの乾杯に応えたのは言うまでもない。けれどこの大阪という土地柄の本当の凄さを知るのは翌朝の散歩の時となる。

 

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僕はクルマで旅することが殆どなのでその土地の公共交通機関を利用するということはあまりない。
だから知らない土地で行き先の地名(駅名)だけで乗り物に乗るというのもわくわくする体験だった。幾つかある路線の中で主に利用したのが御堂筋線という地下鉄だ。この路線は観光客にとっても、キタ~新世界までを行き来するのに非常に便利な駅構成になっていて、今回の行動半径最北の梅田と最南の天王寺までは二十分程で移動できる。この日の晩メシは、実に広大なと言えば簡単だけど、三~四回程度では迷子になるのが必至と思われる梅田駅地下街を抜けたアーケード街の一軒を目ざしていた。
 
その後は夜のとん堀でも歩いてみようかと考えていたけれど、数時間前に初めて出会った新世界という大阪の第一印象が強烈でそのまま宿まで戻ってしまった。
案の定、昼とは全く違う表情を見せる新世界。ライトアップされた通天閣と灯りの点った看板達は、下から見上げても展望台から見下ろしても不思議な感覚にさせてくれる。
それはまるで宮崎アニメの湯屋街のような、あたかもこの世からフェイドアウトされた別の世界の光景に見えた。

 

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