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2017年6月の記事

2017年6月14日 (水)

朝を愉しむ時節 (早起きのススメ)

1706010

 

真北に開いた窓から朝日と夕日が室内に差し込んでくる。
これは夏至の日を挟んだわずかひと月ほどの間にだけのシュールな光景で、一番長くて清々しい朝を愉しめる季節がやってきた事を教えてくれる。僕の住む東(北)日本では晴れてさえいれば午前三時を廻ると空が白み始め、それから一時間もすると新しい太陽が姿を見せる。僕は仕事の都合で七時半頃までに戻ってくれば十分に間に合うので、四時に出掛けたとしてもたっぷりと三時間半、ほぼ半日に匹敵する自由時間が手に入るという具合だ。
この時間は天気が良ければほとんど近郊に出かけている事が多く、単なる朝の散歩と同じで歩くかクルマかの違いでしかない。
理由はいつもの見慣れた風景が時間と光の具合で、ハッとするような表情を一瞬だけ見せてくれる事に気がついていたから。
この光景はあの湿度や気温の気象条件と時間的なタイミングでしか出会えなかったような気がする。小鳥の声しか聞こえない静寂の中で山神の社の隅に腰をおろし、農家を営む人生の大先輩からむかし聴いた話を思い出していた。それは春になると山の神が田んぼに降りてきて田の神となり、稲刈りが終わると山に帰って山の神に戻るのだという、この地方に昔から伝わるなんとも不思議な話の事だった。
先週の金曜日は上半期最後の満月の日。
けれど天気にも予報と同様にイロイロと事情があるらしく見る事は叶わなかった。けれど翌日の土曜日には、昨日よりも一時間ほど遅れて顔を出した十六夜の月が雲間に浮かんでいた。翌朝の日の出前、天気を確かめたくて窓を開けると、明るくなってきた西の空低くで昨夜の月が少し控え目に輝いている。
初めて目の当たりにする天頂を隔てて対峙する月と太陽。
空が明るくなるにつれて本来の色を失いながら、青空の色に溶け込んでゆく十六夜の月。ぐんぐん輝きを増す太陽の光の中で、白緑色の地平線へと沈みながらフェイドアウトしてゆく様は、本当に息を呑むほどに美しく、それはほんの短い時間の出来事だった。

 

***

 

十五年ほど昔の僕はサラリーマンという職業で、朝早くに起きるという事を最も苦手とする完全夜型の人間だった。その頃は一日の疲労感をため込みながらテレビや電話に邪魔されつつ仕事や趣味、また夜遊びにと入れ込んでいた。それがある日を以て自分の行動計画から、出勤~帰宅というルーチンが消えた頃だった。新聞で偶然目にしたなにかのコラム記事。そこには朝の一時間は夜の二時間に匹敵するいうような事が書いてあった。最初はもちろん眠かったけれど、十分に睡眠をとった朝という時間の質の高さに気がついた。更にそれがいつのまにか習慣になってしまうと、今度は夜に何かをしようという気が起きなくなってしまったのも事実なのだ。
もちろん僕の場合は朝に得るこの時間を仕事に充てるほど忙しい人間ではない。もっぱらそれは趣味やWebのメールやニュースのチェックなどの雑用に充てる時間になってしまっているだけなのだけど。

 

 


  
 
六月から七月へと移りゆく陽ざしと風
 
夏至と冬至はこの半年を振り返る光のハーフタイム
 
 
梅雨に似合うバート・バカラックを聴きながら
自由人          .           

 

 

 

 

 

 

 

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