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2017年3月23日 (木)

月・(祝) といふ 春の好日

170302

 

ここ数日程、雪深いこの東北の街でも急速に春の兆しがはっきりと感じられるようになってきた。
とは言っても周囲には雪が多く残りまだ桜や梅の芽は小さくて固いまま。そんな中でいちばん顕著に春を感じるのは風の肌触りと、グングン力強さを増してきた陽ざしなのかもしれない。このログをのぞいてくれているほとんどの人が知っているように、休日は仕事の都合で月曜日になっている。そんな理由から美術館という場所はなかなか足を向ける機会がない場所のひとつだった。けれどもhappy-Mondayや振替休日の施行で、今ではさまざまな選択肢があるのは実にありがたいこと。このルノワール展も期間中はこの春分の日が唯一の月曜祝日になっていて、遠くが少し霞む春らしい好天の中をモノクロームの世界からもう一つの色彩の世界に向かった。

 

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ほとんどのご諸兄がルノワールといえば、このバレリーナを思い浮かべる代表作なのだろう。
日本では過去に一度、東京と京都で展示されただけで、もちろん東北では初公開となる作品。それは四章に分かれた全54展の作品の中で後半の2/3程の所に展示されていたのだけど、その素晴らしさが頭から離れずに三度も舞い戻って見入ってしまった。
音声ガイドで何度も言っていた彼の作風全般に言えるキーワードは、『美しい色彩』『輝く光』そして『画面の隅々にまで満ち溢れた幸福感』。
モノクロームの世界からのエトラゼにはまさに春いろ絵画展だったことは言うまでもない。
   
この場所に来て初めて知ったこと。
それは新しい光や空気感を生みだすために屋外で制作されたこと。それにもう数年前になるだろうか、ここで見たモネとは画塾で知り合い生涯の友であったこと。モネとルノワール、描く対象が自然や静物と人物(女性)という違いでお互いに影響を受けたことは間違いないのだろう。
     
彼は少女と女性を最も多く題材として選んだのだと解説にあった。
そう言われれば彼の描いた女性は常に幸福に満ちた姿で表現されていて、悲しんだり絶望したりする女性の姿ではない。そのスタンスは『女性を描くことは内奥の秘密を暴くことではなく、人間が最も美しく見える部分をより美しく描くことである』という彼の姿勢に根差したものだったに違いない。

 

 

”月の光”  ドビュッシー
   
春の宵 朧月を眺めながら

 

 

 

 

 

 

 

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