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2016年11月11日 (金)

676海里の非日常 (4/5) 南の港街へ

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一般国道237号線。
この道は旭川から富良野を経て遥か襟裳岬近くまで通ずるルート。中でも旭川から美瑛を経て富良野までの区間は東に大雪山系の山々を望みながら、両側には広々とした丘陵地帯が続く。そんな中で時々道端に現れるのは、Webなり雑誌なりで見かけた有名な景勝地の案内看板だった。でも今まで何度もその場所の構図の見事な写真や絵なりを今まで何度も見ていたから、僕はもはや自分の記憶に刷り込まれているであろう同じ場所をめざす事はしなかった。そして好奇心が選んだのは旅先での普段の朝のように、何かがひっかかる知らない路へ分け入る事だった。

 

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この日の天候は今回の道中で唯一の雨降りの日だった。
かと思えば突然の陽射が差し込みエンジェルラダーや虹が見えたり、突風が吹いたりとめまぐるしく変わる空模様。こんな天気だから農作業の人が通る事も、まして観光客などいるはずもないごく普通の農道の先に広がる北の大地。風や雨の音を聴きながら眺めたその風景は、まさに横たわったヴィーナスの裸体のような嫋やかな曲線を持つものだった。

 

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途中の道すがら見かけた一両で走っている電車。
地図を見てみると富良野線と書かれてあり、それは今朝ほど旭川駅で見かけた一両と二両編成の電車に違いなかった。折角だから何か駅を見てみたいと思い、地図で探すと走ってみたい丘の路のすぐそばに素敵な名前の駅を見つけた。それは美瑛町だけど上富良野の境界付近の場所にある、美馬牛駅(びばうしえき)というものだった。いかにもこの土地らしいそのネーミング。雨の降る暗い通りを曲がるとその突き当りには、”あら、まぁ!”と呟くくらいにカラフルなペイントを施された、ちっちゃな駅舎があった。
ここから丘の路までは500m足らず。
そこに滞在したのは30分ほど。その間だけ日差しが出てくれたのは、あのカラフル屋根を見たご利益だと今でも思っている。

 

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丘の路に別れを告げて再び237号線で南下を続けると、見えてきたのが占冠村(しむかっぷ)という案内板だった。
まるでアイヌ語のようなその不思議な響きはもう道東に近い事を感じさせる。いつかWebで見た某有名リゾート会社の雲海テラスで村の名称は知っていたけれど、自分がその場所を通過することは全く気がつかなかった。思えば遠くに来たものだと独り言が出て思わず苦笑いしてしまった。ここからは道東自動車道で苫小牧港へと向かうルート。今宵の宿はきっと今頃大急ぎで出港の準備をしている太平洋フェリー。チェックインのリミットが17:00と少し慌ただしくて、この北の大地との別れに浸る暇がなかったのだけ少し残念だった。

 

 

 

 

 

 

 

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