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2015年10月 3日 (土)

秋の黄昏に思ひ出したこと

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秋分を過ぎてからは日没の時間が加速しているような感覚を覚える事がある。
地動説の考え方からすればもちろんそんな事はなくて、冬至という次の節目に向かって一日に一分程の定量で日没の時間が早まっているだけ。昼から夜へと渡る橋のような、明るくもなくて、暗くもないボンヤリとしたこの黄昏という時間。子供の頃にはいつも理由もなく物悲しい気分にさせられたものだった。いまは竈なんて山奥にでも行かないとお目にかかる事は出来ないけれど、あの煙の匂いが流れてくると急激に薄暗さを増してゆくように感じた。それに夕餉の匂いが混じり出すとそれが遊びの終焉を告げる合図。
そんな遠い昔の映像を記憶の奥底から引き上げて来たのもの、それは昨日黄昏時にどこからともなく漂ってきたシチューの匂いだった。

 

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僕にとって赤ワインが恋しい季節が訪れた。
半袖の間はキリッと冷えた白が美味しいのだけど、長袖のシャツを着ると手に取ってみるようになる。けれど僕はワインに詳しい訳ではないし、ヌーヴォーにも赤はないから世間が大騒ぎするほど興味があるというものでもない。だから選ぶ基準はざっくりと白ならば辛口、赤はライトかミディアムボディの廉価品となる。この魅惑の果実酒は季節やシュチュエーションによって、さまざまに装いを変える事ができるのも素晴らしい。それは遡れば紀元前四千年あたりからという、気の遠くなるような時間と人々の知恵の結晶なのかも知れない。

グラスを揺らすと万華鏡のように光のリングが交差する美しい液体。
一般的には常温で愉しむ赤だけど寒くなるにつれ、少し温めると美味しいという事を知ったのはつい数年前のこと。
ラヂオが来週あたりから朝の気温がひと桁台に入ると言っていた。

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