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2014年7月25日 (金)

夜半の夏 (よはのなつ) の夢 (1/3)

140703

この不用意に通りすぎてゆく雨と言えばこれ抜きには語れない、夏ならではの風物詩だろう。
油照りの日差しで焼かれていた木々の葉が、その湿気を纏ってなまめかしく輝く様はまさに、よはのなつの夢。少し遅れて微かに漂ってくる埃のようなかをりは真夏の光の匂い。

子供の頃に着ていたランニングシャツ。
いまではあまり見かけなくなったけれど、肩に残る二本の白い線は子供心にも夏といふ季節を目一杯に愉しんだ勲章のようなものだった。
朝から強い日差しと青い空が広がり、川での水浴びやカブトムシやクワガタを捕まえたり、真っ黒に日焼けして夏の遊びに興じたものだ。
そういえばあの頃は秘密基地を作るのにも夢中だったっけ。そのムッとした草いきれの中で見上げた空に大きな入道雲がもくもくと湧き上がり、それが近づいてくるときまったように訪れるのはこの日のような驟雨(夕立)だった。それが通りすぎてまた嘘のような晴れ間が広がって、遠雷のなかに涼しさが訪れる頃には、今度は夜祭が始まる。
それは子供なりに忙しかったけれど、陽炎の中でずっと続けばいいなぁ~と思った夏休みの記憶。

   
『夢』 ドビュッシー


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