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2013年5月27日 (月)

Saison, le vent est parfumé

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連休も過ぎ去って、ひとしきりの寂しさのあとには、風薫る五月と呼ぶのに相応しい風が体を撫ぜてゆく。
天気の良い昼休みなどは特に用事がなくとも、バイクを扱ぎだしてそんな風を感じたくなる時期だ。僕の住む標高200m程度の木々は”新”という接頭語を付けるのが野暮ったい程に生い立ってきたけれど、標高が800m近いこの水辺は、2013_新緑のベールがようやく山頂にむけてスタートしたばかりだった。
 
いつものように意図的に迷い込んだ小道。
この建物はペンション街の外れ近くのみなもの畔にたっていた。色彩がもっと落ち着いていたり、もう少し季節が進んでいて手前の木々が生茂っていたなら気がつかなかったかもしれない。一瞬視界に入った鮮やかなクリームとオレンヂの外壁に、僕は無意識に鉄の馬の手綱を引いた。煙突からは良く目を凝らさないと気付かないような、うす白い煙が上がっていて、水辺近くにはカーキ色のゴムボートも見える。今の季節に人の気配があるということは、別荘の類ではないようだ。

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爽やかな高原の風に吹かれながら、あと5日もすると6月なんだなと考えていたら、今年の4月1日には法螺話を書くこともなかった事を思い出した。僕にとってそれは恒例化したものではなかったのだけど、・・・・・らしき事を私書箱で見つけたことがずっと引っかかっていた。
昨年と言えばタイムマシンに乗った話だったし、一昨年はペアのコーヒーカップが会話を始めるという、罪のない嘘とは少しニュアンスが違いそれはもう、寓話としか言いようがない話ばかりだ。今年は煙突の煙を見ながら、この館の主にでもなった妄想をしてみることにしよう。

 

* ふた月遅れの April Fool's Day *


このシュチュエーションで生活する人物は、当然芸術家でなければならない。
不幸にも僕は絵はまったく描けないので、絵描きは無理にしても、きっと何かのデザイナーとか物書きぐらいだろう。男はずっと一人で暮らしていて(正確には一匹の白いネコと)周囲はあまり気がついていないけれど、実は人間嫌いな男なのだ。

その一日はこんな感じで始まる。
時間に縛られない生活なので、外の薄明るさで目を覚ます。2階の寝床から階下の書斎兼仕事場に降りてくると、夕べのAlcを洗い流すかのように一気にコップの水を飲み干す。それからPCの電源を入れて、お茶をいれるお湯を沸かし始めるといった具合だ。メールやニュースのチェックが終わると、次は朝飯の支度にとりかかる。時間短縮のために洗濯との同時進行はずっと前からの極まり事だ。それから好きな音楽と共に仕事にとりかかるのだが、今日は自分で決めているOFFの日なので、もちろん仕事をするつもりはない。

昼食の後は30分ほどうたた寝をして、天候の具合を見ながら西側にある畑で作業をする。2~3日前に市場で購入した、新しい品種のジャガイモを植えたり、先週播いたベビーリーフとロケットサラダに水をやったりと、結構なスピードで時間が過ぎてゆく。
それが済むと一服つけて、今日はゴムボートのメンテナンスだ。オールを固定する軸にグリスを注油して動きを確かめると、スキットルに好きなアイラを満たしルアーを積み込んだなら、いざ試運転と洒落こむ。

そんなことをしているうちに陽が傾き、夕飯の支度をする時間だ。
男が冷凍庫から取り出したのは、先日コストコ(COSTOCO_WHOLESALE)で多量に仕入れてきたエスカルゴ。(これがビックリするくらいに安くて旨い)それをオーブンに放り込んでタイマーをセットすると、おもむろに作り始めたのは魚介類とパスタの容積比率が65:35という、完全おつまみ仕様の自慢のシーフードパスタだ。次に準備するのは大人の飲み物だ。休日の夜には少しだけ上等なものをと、心がけている。この日”最初”に手が伸びたのは好みの白ワイン。この日ばかりはリラックスしているせいか、Alcが大脳皮質を冒し始めると眠気をおぼえる。休日前夜と休日の夜は相当はやい時間に眠りに就くのは昔も今もあまり変らない。
翌朝の朝飯の支度を、快適に行うための洗い物を手早く済ませるとベットに潜り込み、枕に頭をつけて意識を失うまでいつも20秒以内。
次に目が覚めたのは標高200mにあるいつもの部屋だった。


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