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2013年2月17日 (日)

日本酒をもっと身近に楽しむ ワークショップ

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もうかなり昔の話になるけれど、あれは確か父親の7回忌の法要での事だった。
法要そのものに関する事は何一つ覚えていないのだけど、そのあと(直会)の事は鮮明に覚えている。その時にテーブルで隣に座っていた
伯父のTokuさん が、まだ紅顔の少年だった僕にビールをコップで半分程、飲ませてくれたことだ。薄飴色をして白い泡の浮いているその冷たい飲み物を口に含んだ時に、僕はこんなにも美味しいものがこの世の中にあったのかと感嘆した。いつも飲んでいるジュースや牛乳とは全くちがうその不思議な味に、未知の”オトナの世界”への誘惑というか、羨望のようなものを感じた。瓶のラベルにはいまでは見慣れた、いわゆる創造上動物が描かれていてあの縞馬ともつかず、ライオンでもないような動物に子供心にこれこそが、未知の大人の世界なのだと感じたものだった。そして僕の長い酒歴がここから始まったのはまちがいない。

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前置きが少し長くなってしまったけれど、このカウンターは本当に僕にとって幻の場所だった。
地元では一番規模が大きく、全国的にも歴史の古い酒造会社が作った店で、大正時代を思わせるみずいろの瀟洒な建物だ。仕事で関わりのあったここの広報担当の人の話では、自社の豊富な種類の日本酒をマッチする料理と共に提供しようというコンセプトなのだと聞いた。けれどもさすがに日本酒大好き人間の僕でも、店構えからしておひとり様で一見客いうのもいささか気が引けるし、”そのうち行ってみよう”という行動計画は実現されたためしがない。斯くして日本酒が大好きな知人(彼は通)とのスケジュールがかみ合うのを待っていたら、その人から閉店することになった事を聞き、とどのつまり幻となってしまっていた店だ。

3ヵ月も前から予定を空けて申し込んでおいた今回のワークショップ。
受け付けを済ませるために向かった事務所で、”会場は真向かいのみずいろの建物です”と案内されて思わず、”えっ、花くれないですか?” と訊き直した僕の喜びは本当に大きかった。
話には聞いていたけれど、初めて足を踏み入れる店内。受け付けにいたのはこの店の事をいろいろと教えてくれた広報の人で、実に3年ぶりの再会だった。そしてこの店もいずれは蔵元のアンテナショップとして息を吹き返す事を聞いた。
 

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今回のワークショップは実に有意義なものだった。日本酒の種類などは諸兄方の方がずっとご存じと思うが、僕が目からうろこだったのが同調のKeyと呼ばれる味覚で、酸味・苦み・うまみの三つを基軸としているとの事。
それに付加するのが、発酵などによる複雑な旨み・熟成によるスパイシーな香り・爽やかな香りなどなど。定番の組み合わせから、マリアージュによる異なる香りや味で生まれる第三の味わいなど、自分で実際にいろいろと創って試してみなければ解らない、日本酒の奥深さをまざまざと見せつけられた機会だった。
  
この東光シリーズが容易に手に入る地元のご諸兄方のために、今回の同調Keyベストショットは・・・・
  
東光 純米大吟醸 と 海老とアボガドのマヨネーズ和え  (この酒には刺身などの醤油は禁忌)  ・・・・・同調のKeyは酸味。
東光 吟醸酒    と チーズのオリーブオイル漬け (苦味の強いブルーチーズ系がGood)    
・・・・・同調のKeyは苦味
東光 純米酒    と ほたるイカの一夜干し (ライターで炙るとチョイ悪オヤジ風)          ・・・・・同調のKeyはうま味
東光 古酒生元  と 鯉のうま煮+チーズ&山椒 (今年の正月は絶対この組み合わせ)      
・・・・・同調のKeyは発酵による複雑なうま味とスパイシーなかおり 
東光 なせばなる と ざるそば (そばと日本酒のハーモニー、昔人に感謝!)             
・・・・・同調のKeyは爽やかな香り

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僕がいままで冒していたまちがいは、特に初めて出会った日本酒でもふつうに、猪口やグラスで飲んでいた事だった。
それをワインのテイスティングラスに変える事により、その素性が一番理解できる事を体験した。日本酒に限らずたぶん酒類は香り(香味)が味として感じる主体であるということを初めて学んだワークショップだった。 
  
  




  

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