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2013年2月の記事

2013年2月24日 (日)

休日ノ過ゴシカタ Vol.1 (音楽とのシンクロ)

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以前サラリーマンだった頃には隔週の土曜日・日曜祝祭日が休日で、それがごく当たり前の事として長年生活してきた。
それを辞してからは誰にも束縛されることなく、休日は自分で決められる。だけど何となく長年の習慣と、一種の未練みたいなものが入り混じっていたのだろうか、そのままの生活を四年程続けていた。ある時仕事上の理由で休日を変更する必要が生じ、全て平日へと変更したのだった。
当たり前の事だけど平日というのは、世間のほとんどがごく普通に機能しているわけで、日曜の朝とは違い道路も普通に込み合うし、なんとなく気ぜわしいようで最初はシックリとこなかったものだ。けれども慣れてしまえばそんな感覚はとうに薄れて、景勝地などを訪れても込み合う事もなく、効率的に且つ自由に過ごせる(飛びまわれる)休日だという事を知るのに、そんなに長い時間はかからなかった。
でもなんとか美術館だけは happy monday で救われているけれど、それとは合わないどうしても見たいコレクションがあれば、やりくりして時間を空けることも仕方ないことだろう。

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休日でも、それがたとえ正月の三が日でも、朝かならずこの仕事場兼書斎にやってこなくてはならない理由がある。
どうしてかと訊かれれば、単純に”洗面をしに”と答えている。実をいうと家には僕の歯ブラシもシェーバーも、ついでに言ってしまえばPCと居場所もなかったりするのだ。休日の朝は洗面を終えると、いつものルーチンワーク(掃除・洗濯・洗い物)をパパッと済ませたなら、美味しいお茶を煎れてゆっくりとメールをチェック。それから各地天候を見ながら本日の行動計画(今日は何処へゆこう)を考えるという具合だ。
このまえ知人と呑んだ時にそんな話になり、彼は”冬になれば何か特別な用事でもない限りあまり出かけないだろう?”と言っていた。
その時僕は何気なく目にしたクルマのCMのフレーズを思い出していた。”冬は毎年来る。さて、今日は何処へ行こうか?”というのを・・・・・
僕はふだん通して15時間ほどここにいる訳で、外に出るといっても昼休みに雑用がてらのコンビニや、銀行ついでに近くのお店でゆっくりと過ごせる昼メシ程度だ。サラリーマン時代に外を飛び回って仕事をしていたのとは、大分環境が違っていてきっとその反動ではと、自分なりに分析している。そして蟄居という因習がない現代に生まれたことを、感謝しなければならないのかも知れない。

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以前記した気がするけれど、僕は仕事場で常に好きな音楽(又はラヂオ)を聴く事ができる、実に恵まれた環境にある。でもそれはきっと耳淋しいから流しているだけで、仕事中なので音楽と何かしらのシーンとか光景が強く結びつくような環境ではない。僕にとっての本当の音楽のちからとは、その旋律やヴォーカルとか楽器の音色などで、ある何かしらの鮮明な記憶を引っ張ってこれる程の力をもったものだと思っている。
手の内にある鉄の馬の手綱の感覚に、心地よい音楽と共に時には窓を開け放って嗅ぐ季節ごとの匂い。いつもの見慣れた風景から少しづつ距離が遠のき、それが見慣れぬ風景へと置き換わってゆく時に、その二つがゆっくりとこころの奥深くまで浸潤してくるのも、音楽と風景の記憶なのだと思う。音楽と共にそんな光景と出会えた時こそ、僕にとってこころが放たれた休日と言えるのかも知れない。
  
  

< ミスティ  ダイアン・リーヴス >

  
この曲はあるピアニストが飛行機の機内で作曲したと言われていて、現在は多くの人が歌っているスタンダードナンバーの一つだろう。彼女は僕の好きな Jazz singer の一人で、原曲の持っているしっとりとした雰囲気を損なくことなく、後半は自在にメロディーを崩し、コントロールしながら情感を込めて歌いこんでいるように聞こえる。
彼女ならではのこのミスティーを僕は、親愛を込めて”リーヴスの行書ミスティー”と称して愛聴している。






   
  

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2013年2月17日 (日)

日本酒をもっと身近に楽しむ ワークショップ

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もうかなり昔の話になるけれど、あれは確か父親の7回忌の法要での事だった。
法要そのものに関する事は何一つ覚えていないのだけど、そのあと(直会)の事は鮮明に覚えている。その時にテーブルで隣に座っていた
伯父のTokuさん が、まだ紅顔の少年だった僕にビールをコップで半分程、飲ませてくれたことだ。薄飴色をして白い泡の浮いているその冷たい飲み物を口に含んだ時に、僕はこんなにも美味しいものがこの世の中にあったのかと感嘆した。いつも飲んでいるジュースや牛乳とは全くちがうその不思議な味に、未知の”オトナの世界”への誘惑というか、羨望のようなものを感じた。瓶のラベルにはいまでは見慣れた、いわゆる創造上動物が描かれていてあの縞馬ともつかず、ライオンでもないような動物に子供心にこれこそが、未知の大人の世界なのだと感じたものだった。そして僕の長い酒歴がここから始まったのはまちがいない。

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前置きが少し長くなってしまったけれど、このカウンターは本当に僕にとって幻の場所だった。
地元では一番規模が大きく、全国的にも歴史の古い酒造会社が作った店で、大正時代を思わせるみずいろの瀟洒な建物だ。仕事で関わりのあったここの広報担当の人の話では、自社の豊富な種類の日本酒をマッチする料理と共に提供しようというコンセプトなのだと聞いた。けれどもさすがに日本酒大好き人間の僕でも、店構えからしておひとり様で一見客いうのもいささか気が引けるし、”そのうち行ってみよう”という行動計画は実現されたためしがない。斯くして日本酒が大好きな知人(彼は通)とのスケジュールがかみ合うのを待っていたら、その人から閉店することになった事を聞き、とどのつまり幻となってしまっていた店だ。

3ヵ月も前から予定を空けて申し込んでおいた今回のワークショップ。
受け付けを済ませるために向かった事務所で、”会場は真向かいのみずいろの建物です”と案内されて思わず、”えっ、花くれないですか?” と訊き直した僕の喜びは本当に大きかった。
話には聞いていたけれど、初めて足を踏み入れる店内。受け付けにいたのはこの店の事をいろいろと教えてくれた広報の人で、実に3年ぶりの再会だった。そしてこの店もいずれは蔵元のアンテナショップとして息を吹き返す事を聞いた。
 

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今回のワークショップは実に有意義なものだった。日本酒の種類などは諸兄方の方がずっとご存じと思うが、僕が目からうろこだったのが同調のKeyと呼ばれる味覚で、酸味・苦み・うまみの三つを基軸としているとの事。
それに付加するのが、発酵などによる複雑な旨み・熟成によるスパイシーな香り・爽やかな香りなどなど。定番の組み合わせから、マリアージュによる異なる香りや味で生まれる第三の味わいなど、自分で実際にいろいろと創って試してみなければ解らない、日本酒の奥深さをまざまざと見せつけられた機会だった。
  
この東光シリーズが容易に手に入る地元のご諸兄方のために、今回の同調Keyベストショットは・・・・
  
東光 純米大吟醸 と 海老とアボガドのマヨネーズ和え  (この酒には刺身などの醤油は禁忌)  ・・・・・同調のKeyは酸味。
東光 吟醸酒    と チーズのオリーブオイル漬け (苦味の強いブルーチーズ系がGood)    
・・・・・同調のKeyは苦味
東光 純米酒    と ほたるイカの一夜干し (ライターで炙るとチョイ悪オヤジ風)          ・・・・・同調のKeyはうま味
東光 古酒生元  と 鯉のうま煮+チーズ&山椒 (今年の正月は絶対この組み合わせ)      
・・・・・同調のKeyは発酵による複雑なうま味とスパイシーなかおり 
東光 なせばなる と ざるそば (そばと日本酒のハーモニー、昔人に感謝!)             
・・・・・同調のKeyは爽やかな香り

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僕がいままで冒していたまちがいは、特に初めて出会った日本酒でもふつうに、猪口やグラスで飲んでいた事だった。
それをワインのテイスティングラスに変える事により、その素性が一番理解できる事を体験した。日本酒に限らずたぶん酒類は香り(香味)が味として感じる主体であるということを初めて学んだワークショップだった。 
  
  




  

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2013年2月10日 (日)

春への想ひ Vol.3

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春になったら
うみに逢いにゆこう
しまがよくみえる場所でくるまを停めて
ゆっくりと波打ち際をあるいてみよう
明るい春の日差しと
まだ少しつめたい海風の中で
優しかったひとたちのことを
思い出してみよう
      
  
春のなったら
うみに逢いにゆこう
途中はあの三角屋根のみせによって
洒落た器と窓からの景色を眺めよう
あの一人掛けの席で
カリカリのベーコンピッツァと共に
きっとことし出会える景色に
想いを馳せてみよう
   
    
春になったら
うみに逢いにゆこう
一年中でいちばん冷たい海水に触れて
風に体を晒したら深呼吸をしてみよう
春の夕暮れ時特有の
ボンヤリとした景色の流れるなか
好きな場所がある街へと
早くはやくもどろう

  

  


   
 
 
    

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