« 午後の教会 (北の街へ 1/3 )  | トップページ | 10㎜というパースペクティブの視界 (北の街へ 2/3 )  »

2012年9月20日 (木)

白無垢 といふ色彩 (一枚だけのポートレート)

12090201

実は僕がこのカップ達と出会ったのは最近のことではない。
オーナーから初めて見せられた時には、この無地のカップ自体よりも淡いグラデーションのかかったソーサーの方に、”ほぉ~”と注意が向いてしまったのを覚えている。そんな事があってから目の前で何度か眺めていると、このデザイナーの意図はこのカップの無地という部分にあるのではないかと思い始めていた。きっとそれがソーサーであればなにも2色である必要はないのだから。
いまどきめずらしい、文様などの装飾すら施されていないシンプルこの上ないものなのだけれど、メタリックをほんの少しだけ含む、ホワイトパールのような質感のリフレクションを僕に返してくる。そんな深い趣のある釉がかけてあったりしていた事に気が付いたのは、それこそつい最近の事だった。

***

いまだに理由は分からないけれど、このカップ達を見ながらいつも心に浮かんでいたのは、法服と白無垢の事だった。
裁判官の公平無私の象徴である、”どんな色にも染まらない”という法廷での気風を表した黒の法服。
それとは対照的な”あなたの色に染まります”という意図の花嫁の白無垢。
法服の黒に対してこれはたぶん、日本特有の”ゆかしい”というあたりの表現から派生した例えで、僕が常々日本女性の原点だと思ってやまない(信じている)部分だったりする。

自分という輝き(美しさ)を失うことなく、ソーサーの色にほんのり染まるこのカップは、僕の記憶に白無垢と大和撫子というtagを括りつけた。

実はマスターにも笑われたのだけど、これは実に3度目の正直の上に切り取れた絵だった。

   
  
   
   
   
   
   
  
   
  

|

« 午後の教会 (北の街へ 1/3 )  | トップページ | 10㎜というパースペクティブの視界 (北の街へ 2/3 )  »

0.6 mile radius (半径 1 Km 圏内)」カテゴリの記事

きづきの扉」カテゴリの記事