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2012年7月14日 (土)

The Days of Wine and Roses

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この絵の表題。
今回の記事タイトルに引用してしまいたかった、古い映画の日本版作品名だ。けれどもこれではあまりにも有名すぎる。きっとすぐに検索エンジンロボットからタグを貼られてしまうに違いないと思い、結局は原作ヴァージョンに戻してしまったのだった。
たぶんこの絵にしてみれば、はじめから不本意な表題だと思っていることだろう。僕なりに新しい別のタイトルをつけ直すとすれば、この時の印象から < ガーデンの先住居人 > といったところはどうだろう。

***

斯くして今年も酒と薔薇の日がやってきた。
連休明けにこの庭の主(本当は細君らしい)である友人と、銀行の駐車場でばったり会った。実はその時まで、昨年の酒と薔薇の日のことはほとんど忘れていた。短い立ち話の中で、今年の大雪とエントランスを改築して、壁に這わせていた薔薇もだいぶ少なくなったことをその時に聞いた。でも細君が懸命に復旧にあたっているらしく、新品種も仲間入りしたとかで、再びカメラ持参での”オトナ昼宴”のお誘いを受けた。

一年ぶりのこのローズガーデン。
その日は、このところの月曜日の天気に関する悪しき習慣も途絶えて、天気も上々で絶好の麦酒日和だった。
   

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< 夏の予感 >
山形県米沢市

   
  
去年もそうだったのだけど、この庭を歩きまわると宝探しのような楽しい気分になり、半面なぜだかほっとするのはなぜだろう。
昨年出会った片羽の天使。今年の大雪で心配だったけれど、ちゃんと健在だったし、昨年は薔薇の名前や特徴を片っぱしから説明してくれた細君は、台所で昼食のご自慢のパスタとおつまみを調理中のようだ。キッチンの前を通りかかると、いい匂いがただよってくるのは、たぶんそのせいなのだろう。
先ほど彼から声がかかった。僕は15分後に迫った至福の時間への邪心?を振り払うように、気に入った光景の絵を切りとっていた。本日の麦酒の種類はモルトだ。最高の一杯目と出会うために、あたらしいアクセサリが増えた花々の間を、故意にのどの渇きを増幅させるように彷徨っていた。

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< ゴールドとグリーンの透過光 >
山形県米沢市

ここにお邪魔したのは確かお昼すこし前だった。
日差の角度は、それからずいぶんと時間が経った事を教えてくれる。レースのカーテン越しにツークッションした初夏の陽光は美しい透過光となって二つの色を僕の目に届けてくれた。僕は一時間ほど前からバーボンのハイボールにスイッチしていたので、それこそ位置と時間の偶然が生み出した光彩だったのだ。

***

彼との話のなかで、昼酒は(特に今日)どうしてこんなに美味いのだろうという話題になった。
明るい戸外で飲む、花見・いも煮会(特に平日)などにしてもそうだ。夜の室内でも、もちろん美味いのだけれど、やはり太陽の光のせいだろうか。もっと掘り下げると花見・いも煮会は、単なる呑む理由づけなのかも知れないのではないか、という事になった。
そういえばそれらの名目で宴を開催するのは花やいも煮などどこにもない、夜の料理屋というのもけっこうあったりする。
結局はひるひなか、ほとんどの人が仕事中な訳で。我々だけが・・・・・という ”背徳感がアルコールの flavor_spice になっているのだ”
と言うことで僕らの意見はひとまず一致した。

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< 晴れの日の水場  3:00.PM >
山形県米沢市

  
  
この絵はだいぶ酔っぱらっている時に切り取ったもの。
お開きの乾杯前にもう一度薔薇たちに逢いたくて、僕一人でフラフラと庭に出た時に偶然目にした光景だ。
きっと雑貨屋が好きだと言っていた細君が、そっちこっち回って(たぶん彼が運転させられて)求めてきたものだろう。可愛げな蛇口にプレート、それとホース掛けだった。この日4~5回はこの場所を通ったし、2枚ほどここの絵をきりとっていた。けれどこの時は全然ちがう水場の表情に酔っていながらもハッとしてしまった。
  

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< 桟敷席とコントラスト >
山形県米沢市

    
僕は庭からこの桟敷席に上がりこみ、彼もバーボンにスイッチして、お開きの乾杯はそれからこの席で1時間は続いた。

嗚呼、今年も酔うて候。

   
  

<The Days of Wine and Roses   Henry Mancini >

 
数多くのジャズのスタンダードナンバーの中でも、特に好きなこの曲。
あまりにスタンダード過ぎて、この曲とヴォーカルや演奏なりで関わった事のない、プロのジャズミュージシャンはおそらくいないだろう。

ずいぶん前から好きで聴いていていたけれど、原文がこのたったの2行
”The Days Of Wine And Roses”
”Laugh and run away like a child at play”
だったことを知ったのは、そんなに遠い昔の事ではなかった。

Johnney Mercerという人物が詩をつけたらしいのだけど、実に凝っていると思う。
何を失ったか認めたくない気持ちを、最後まで引っ張っておきながら、
『 and you 』 と添え、何かを置き去りにフェードアウト。

  

    

    

     
  

   

  
    

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