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2012年2月 8日 (水)

昔より狭く見える通学路 (2/2)

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小学校の通学路をそれこそ何十年振りに久しぶりに歩いてみたときに、
ガリヴァーになって小人の国とまではいかなくても、まるで3/4スケールの世界に迷い込んだ気分になることがある。

いや、そんな筈はないのだが道幅も建物も全てが狭くちいさくなっているのでは・・・・・と。
その錯覚は軽自動車が通る事を想定されて作られたロケセットの中を、無理やり大型ダンプを通行させているようなものだ。校舎の建物やあの途方もなく広く感じたグランドなどは更にせまくて2/3程に感じてしまう。
そんな錯覚に対してよく説明される一説には、自分の身長が高くなって視点が変わりそう感じるというのを読んだ事があるが、僕にはそれだけの理由ではないような気がしてならない。
   

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途中にあった造り酒屋から学校に向かって歩道橋を渡り、少し先のT字路の角に小さな駄菓子屋があった。
     
   
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< 加トちゃんと定番たち >
山形県山形市

 

その駄菓子屋の筋向いには八百屋があって、そこが同級生の自宅だった。
学校からは近いし向かいは駄菓子屋だし、僕は彼が羨ましくて仕方なかったのをよく覚えている。

登校時間はその店のガラス戸の中身は一面の白い布カーテンだった。
きっとあのおばさんはまだ寝ているのかななんて考えながら、カーテンに描かれた大きな雨ジミが動物か何かに見えて、学校が終わったら早くおいでよと言っているように思えたものだ。

多くの駄菓子屋がそうであるように、展示するとか並べるとかからは遥かにかけ離れた、商品を上から吊るそうが、壁に掛けようがなんでもアリで、僅か一畳ほどのスペースに信じられない種類(数)の駄菓子がおいてあった。この時来駄菓子屋にしても、夜祭の出店にしても、この小さなスペースの”こちゃ、こちゃ感”を見ると反射的にワクワクするようになってしまったようだ。

あの頃好きだったのは、束ねたタコ糸の先に三角の飴が付いているやつだ。
一番大きい飴は舐めると言うよりも頬張るに近いほど大きくて、一度は自分に必ず当たると信じて回数を重ねたが、小学校時代に一等のタコ糸を引き当てる事はついにできなかった。粉末ジュースも水に溶かして飲むと言うよりは、そのままなめているのが僕らの流行りだった。今思えば不衛生極まりない話だが、学校帰りに手も洗わずに人差し指をなめて中につっこみ、指についた粉末をまたなめるというのを繰り返していた。誰が考えた訳でもなく、ふくろの説明を読んだわけでもなかったのに。今回見つけたふくろの後ろに書いてあった文字はこうだった。
”120ccの冷水に溶かしてお飲み下さるか、そのままお召し上がりください”



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< グラフティー Ⅰ >
書斎にて

   
   
串刺しカステラの懐かしいポソポソ感や、カルメ焼きのディープな甘さを楽しみながらウヰスキーを楽しんでいると、もうひとつの駄菓子屋の事を思い出した。その店は帰り道ふたたび造り酒屋を過ぎて、駅前をとおりまもなく大通りから僕の家の方に曲がる直前にあった。
そこは書店というか文房具店というか、雑貨店というかなんとも不思議な店だった。一番奥のまんなかにレジがあって、そこでいつも店番をしているおじいさんが、さっきのお面に確か似ていた気がするのだけれど。(チョビ髭はなかった)そのおじいさんの前に机があってその上にはさっきの駄菓子屋にはない、僕ら男の子にとって魅惑的なおもちゃが並んでいた。それらはベーゴマやメンコ、おもちゃのピストル(銀玉を使うやつと巻き火薬を使うやつ)やゴムで飛ばす組み立て飛行機などと、少し品揃えが違うお菓子だった。
   

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< グラフティー Ⅱ >
書斎にて

    
    
もともと甘味との相性が良いウヰスキーなのだが、駄菓子との取り合わせも悪くない。
僕はAlcの毒でかなりマヒした大脳皮質のその下で考えていた。もちろん何故狭く見えるかのことである。小学校高学年ならば身長は確かに現在の」4/3かもしれない。けれども膝を曲げてその当時の身長をまねたとしてもそんなに感覚的な変化はなかった。だとすればその違いは成長による物の見方(空間の認識)の変化ではないか。中学以降では物の見方も出来ているのか、あのような極端な錯覚に陥る事はあまりない事を思い出していた。 
 

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  酒はやめても酔いざめの水はやめられぬ (詠み人不詳)

    

   

  

  
 
 
 
 
 
 
         

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