«  ひとあし早い 『涼』  | トップページ | まるで 昨日のことのやうに (Ⅰ) »

2011年5月26日 (木)

ランチタイム 最後の客

 

僕がその店に足が向くのは、いつも二つの条件がかさなったときだ。
ひとつは仕事の都合で昼メシがだいぶ遅くなってしまったとき。それからもうひとつは日差しがある天気のよい日でなければならないのだった。

この店にはカウンター席や二人掛けのテーブルはない。だからかなり込み合う賑やかなランチタイムに4人掛けのテーブルに1人でいるのは、すこし広々としすぎていてなんだか落ち着かないのだ。
そしてもう一つはこのカーテン越しの日差しである。店内に差し込むやわらかな日あしの長さと角度で季節を感じながら、遅めのランチをのんびりと愉しむのが好きだ。そしてその時間帯こそ、この席が空いている確率がかなり高いのだった。

昨年初秋、木漏れ日&パスタ ( 遅めの昼食 ) かなり久しぶりに訪れてから、この店のメインパスタも今までに半分のほどの種類は楽しんだろうか。(牛肉のトマトクリーム煮込み)もウインクしていたが、今回は『生ハムの中辛クリーム煮』 Prosciotto di Maiale をチョイスした。
  

1105031

< 遅めの昼食 Ⅱ >
山形県米沢市

    
あいも変わらぬこの店の熱々パスタのもてなし。
表面のオイル分で湯気が閉じ込められているが、ここのスープパスタはかなり熱いので舌のやけどには注意が必要でなのである。そういえば最近まで僕はあまりと言うか、ほとんどスープ系のものは食べなかった。その理由は何だったのだろうかと考えてみると、どうやらだいぶ以前に某有名イタリアンレストラン(チェーン店)で供されたものに原因があるように思うのだった。
この店にスープ系のものは7~8種類程あるのだけれど、どれも絶妙なコクがあり、実に美味しいのだという事実を知ったのは、まだまだ寒い立春が過ぎた頃だった。

ここのランチタイムは11:00~14:00までで、それから夕方までは一旦”close”となる。
僕がこの店のドアを開けるのは決まってランチタイム終了の直前なので、茹で置きでないアルデンテのパスタにスープが絡められて運ばれる頃には、だいたい店の中は僕ひとりだけになっていることが多いのだ。

***

他の客が引けると主人がいろいろと話しかけてきてくれる。
(イタリア)の古道具が好きな彼はいろいろなコレクションを店の中にさりげなく置いているが、けっこうな頻度でそれらが入れ替わっているのを見つけだすのも愉しみの一つだった。
  1105033

< Due piatti >

  
  
この皿はさりげなくキッチンカウンターの上に置かれていた。
あまり見かけないデザインなので尋ねてみると、なんでもこれはディスプレイ用ではなく、実際に客に供するように注文して届いたばかりなのだそうだ。実際にパスタを盛り付けると外側のピンクかブルーのデザインしか見えず、食べ進めると下から文字柄が出てくる演出なのだと説明してくれた。話を聴いているとその演出を実際に体験してみたくなって、クラシコ風をブルーの皿にてと次回の予約を入れた。

  1105032

< Vaso Venezia >

  
 
この花瓶もイタリアを連想させる陽気なデザインである。
本来花瓶は花を立てるものなのだが、これは花瓶だけでも十分絵になる。この花瓶を見ていたらイタリアが舞台の宮崎アニメ、『紅の豚』のワンシーンが記憶に浮かんだ。

主人公の通称マルコは”飛ばねぇ豚はただの豚”と豪語しながら、ジーナに惚れている弱みも時々見え隠れする実にカッコいい男なのだ。
そして彼の幼なじみであり、マルコの事ををポルコと本名で呼べる人物のひとりであり、彼を密かに愛していたジーナの店(ホテルのレストラン)にも、確かこんな花瓶があったような気がするのだった。
  

紅の豚主題歌である  < 時には昔の話を >  を聴きながら




   
 

|

«  ひとあし早い 『涼』  | トップページ | まるで 昨日のことのやうに (Ⅰ) »