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2011年4月 1日 (金)

春色の会話

   

まちに待った一番好きな月の訪れだ。

今日はエイプリールフールなのだが、ここ久しく(たぶん20年程)この日に罪のない嘘をついた記憶がない。もうそんな齢ではないと言えばそれまでなのだが嘘が下手というか、とかくこの日に普段と違う事を言えば最後まで語ることなく、オチがばれていたものだった。
 

* at April Fool's Day *  

僕の前にある二つのカップは、柔らかな春の光の中で会話に夢中だった。
口元を寄せ合い囁き合うような静かな時間。
時折聞こえる『ウフッ』とか『クスクス』とかのちいさな笑い声から、話の楽しさが居合わせた僕にもよく伝わってきた。そんなふたりの会話に耳を澄ませてみる。

Delightfully_talk

<春色の会話>

  
マスターの洗い方がすこし手荒いとか、春分の日も過ぎだいぶ日が長くなったとか、二人をペアで指名してくれたカップルのお客さんが途中で口喧嘩を始めたとか、桜はいつごろ咲くのかとか、たまには紅茶なんかも注がれてみたいとか・・・
  
ふたりの会話は他愛もない無邪気なもので、それをこっそり盗み聞きしている僕にとっても実に微笑ましいものだった。

会話もだいぶ進んだ頃であろうか、話題は一緒に夜桜を見に行こうという話になっていた。
なんでもお店が閉店した後に、二人でこっそりと出かけるらしい。場所の選定でしばらくもめていたようだが、ようやく決まったようだ。そして日時はと言えば、月の見える7分咲きの日にお出かけのようである。

時々聞こえる笑い声の中、囁くような会話はしばらく楽しげに続いていた。
そこに居合わせて二番目に楽しかったのは、なんといっても僕自身だったのは言うまでもないことだった。


マスターには内緒にしてあげるから、見つからないように行っといで。
それとくれぐれも、ジョークの分からない人間達に見つかったりしないように、気をつけてゆっくりと楽しんでおいで。
それから明るくなる前にはちゃんと戻ってくるんだよ・・・
   

* at April Fool's Day *

    
   
ふたりの会話に聞き入っていた僕は、今日はどの豆を淹れる? というマスターの問いかけにふと我に返った。
    Book_01

< Favolit Cup vol.6>
山形県米沢市

   
このカップ、それもピンクの方に合う豆を・・・
とオーダーすると棚を一通り見て、浅炒りを示すピンクのラベル群で目がとまった。
その中から彼がチョイスしてくれたのは水色と後味がやわらかいドミニカ・アロヨポニートだった。

今回は春らしく淡い桜色、やわらかなモノクロームのなかで。
    Book_02

   
 
春色の会話には、美しいヴァイオリンの音色とこの曲のタイトルが良くマッチする。


< Thinking of You >を聴きながら

    
   

   

   

   

   

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