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2011年1月10日 (月)

Reunion (再会) 

 

水面下に浮かぶこの白いドレスの女性。
   
単なる時空的な言い方をすれば約四十年近くのあいだ、ただイメージと言うフォーマット形式で、記憶の片隅に眠り続けていた人だった。
               
Weeki_wachee_spring
   
つい最近の事である。
とあるブログを訪ねた時に偶然、この絵との再会を果たしたのだった。
その筆者もなんらかの糸でこの絵と繋がっていたらしく、『あっ』と声を出してしまったと記されていた。

僕の場合もそこでいきなり時間がとまり、この絵と初めて出会ったあの時の記憶の中に押し流されてしまっていた。

そこは薄暗い半地下の(義)従兄自慢のリスニングルームだった。
部屋の半分程に石垣が露出しており、今思えば奇妙な部屋だった。西側には外に通じるガラス入りのドアがあって、そこから適度な西日が差し込みそこの陰湿なムードを少し緩和してくれていた。
そこには当時としては最先端のプレーヤーやアンプ・スピーカなどが設えられていた。そこでチェスや軍人将棋の指南をうけていた時に、流れていたレコードアルバムのジャケットがこの絵だった。

ジャケットに印刷されていたアーティスト名などはその頃読める訳もなく、ずっと記憶の片隅にインパクトを持ったイメージとして、こびりついていた女性だった。幸いにも筆者がこの絵に関する詳細な記事を記述していてくれたので、アルバムのアーティスト名や撮影したカメラマンなどの詳細を知る事ができた。感謝の限りである。

撮影したのはトミー・フリッセル(1907-1988)と言う女性カメラマンで、この絵の公開は1947年。
Tomi_Frissell (ここでは3,500×3,500の高解像度の原絵と対面できる)

これを初めて見たときの正直、ギョっとした当時の印象の断片に長い年月を経ての再会を果たし、加筆しておくべき事柄がある。

それは春のウィーキ・ワチーの、とある春のゆるい流れに浮きつ沈みつ流れてゆくこの白いドレスの女性の象徴的な情景は、えもいえぬ妖艶な美しさを放ちながら、そしてもっと見つめていると人間の心の奥底に流れている『生と死』のような意識のところまで流れ着いてゆく自分なりの印象である。
(もともとこの絵はファッション雑誌の女性ファッションの広告として載せられたものらしいことを知った)

さて、このアルバムはBILL EVANCE と JIM HALL によるそれぞれピアノとギターの二重奏で UNDER CURRENT と言うアルバムだという事が記されていた。
しかし、日本語に訳せばさしずめ(Annryuu)と言う作者の春と言うイメージとはひどく似つかわしくないものとなっている。

 

 

このジャケットの絵と二人の対話をしているような演奏は、出逢うべくして逢ったようにマッチしていた。

 

 

 

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